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<看護留学>日本の息苦しさから逃れたい!ニュージーランドで看護師資格を取得し、永住権を得るまで

今回、お話を聞いた田中逸平さんは、ニュージーランドでワーキングホリデー後に看護師資格を取得。数年の就業実績を経てニュージーランドの永住権を取得しました。この記事では田中さんがどのようなプロセスで永住権を取得するに至ったのかをインタビュー形式でご紹介します。

一生懸命に打ち込めるものを探して留学を決意

―田中さんがニュージーランドに留学しようと思い立ったのはいつのことですか?

大学を卒業する頃になってもやりたいことが何もなかったんです。それまでの人生を振り返ってみると、勉強も部活も遊びも、何一つ一生懸命にやったことがなく全てが中途半端。一生のうちに何か一つでも一生懸命になれることを見つけたい。それが留学のきっかけでした。

―最初はイギリスに行ったそうですね。それはなぜですか?

とりあえず、1年間アルバイトをしてお金を貯めて、たまたま英字新聞の広告で見つけた海外ボランティアに参加することにしました。その行先がイギリスだったんです。食住は提供してもらい、介護施設でボランティアをするというもので、わずかながら報酬ももらえる。英語は独学で少し勉強した程度でしたが、仕事をしながら学べばいいと思っていました。

―その後、ニュージーランドに渡ったきっかけは何だったのでしょうか?

イギリスでのボランティアは1年間と期限が決まっていました。でも、日本に帰りたいとは思わなかったんです。

イギリスに来て感じたのは、心地のいい孤独感でした。日本にいるときは、いつも他人の目が気になって、息苦しいと感じていました。同級生たちは、やりたいことを見つけてちゃんと就職をしているのに自分は何をしているんだろう。そう思うと余計日本には帰りたくなかった。

ニュージーランドのワーキングホリデーを選んだのは、友達に勧められたのと永住権が取りやすいと聞いていたからです。

永住権を得るために、看護師資格の取得を決意

―ニュージーランドでのワーキングホリデーはどんなふうに過ごしたのですか?

クライストチャーチにある語学学校に、介護士を目指す人のための英語コースがあり、そこで前半は英語を学び、後半は医療施設で実習をしました。

ニュージーランドは、学校に通っていれば週20時間はアルバイトができるので、語学学校に行きながら介護のアルバイトもしていました。その施設のオーナーがとてもいい人で、正式に雇用していただけることになったので、就労ビザを申請することにしました。就労ビザがあれば、ワーキングホリデーの期限が切れてもニュージーランドに滞在することができます。ところが、クライストチャーチで大地震があり、働いていた病院も閉じなければならなくなったんです。

―2011年2月のカンタベリー地震のことですよね。ワーキングホリデーの期限が切れるかどうかというときに、働く場所がなくなってしまったのですね。

就労ビザも取得できず、クライストチャーチでは地元の人も仕事がない状態でした。そこでニュープリマスという場所に引っ越したんです。幸い、介護の仕事はすぐに見つかったのですが、その先どうしようかと考えました。

ニュージーランドには、もともと永住権を取ることが目的で来たのですが、介護士では難しい。看護師の資格を取得して就労経験を積めば、比較的簡単に永住権が取れると聞いて、看護師の資格を取ろうと決意しました。28歳のときのことです。

専門学校で資格を取得し、働くことが永住権永住権の近道

―なぜ看護師だと永住権が取りやすいのですか?

ニュージーランドの永住権申請は、ポイント制になっていて、職種や職歴、学位などがポイントで評価されます。看護師は、ニュージーランドで不足している専門職の一つで、ポイントが高いのです。

―なるほど。では看護師になるためにはどうしたらいいのでしょうか。

ニュージーランドの看護学校を出るか、日本の4年制の看護学校を卒業して、2年以上の実務経験を積み、かつIELTS 7.0 以上であれば看護師資格を取得できます。

僕は、ニュープリマスのWestern Institute of Technology in Taranaki(以下、WTT)という、日本の専門学校にあたる学校で3年間学んで看護師資格を取得しました。専門学校とはいえ、3年間で学士号も取得できるのが、日本とは違うところです。入学条件はIELTS6.5 以上でしたので、家庭教師について勉強しました。

―永住権の申請はどのようにしましたか?

申請には次の条件をクリアしなければなりません。(毎年変わる可能性があるので要確認)

  • ・看護師などの技術職に就いている、あるいは雇用証明をもらっている
  • ・永住ポイントが160以上ある
  • ・年齢が20歳以上、55歳未満である
  • ・英語力がIELTSジェネラル6.5以上
  • ・犯罪歴がない
  • ・健康である

僕は卒業時点で雇用証明をもらえたので、永住申請をすることができました。ニュージランドの看護学校を卒業した時点で、自動的にIELTS7.0相当の英語力があると認められる ため、IELTSを受ける必要はありませんでした。申請後は、審査を経て申請内容がすべて正しくて条件を満たしていれば永住権が発給されます。

英語の壁に苦戦しつつ、無事資格を取得。仕事に、プライベートに充実!

―看護師になるための勉強で苦労したことはありますか?

看護師についての勉強はそれほど難しくないと思いますが、それよりも英語の壁に苦労しましたね。学期ごとの試験はエッセイの提出が基本。ネイティブの学生なら、1~2日でできるところを、私は1カ月も前から準備していました。しかも何度も添削を受けてようやく提出できる状態でしたね。

―卒業後、ニュージーランドで仕事を見つけるのは大変でしたか?

アルバイトをしていた施設から雇用証明をもらえたので、苦労はしませんでした。特別養護老人ホームで介護士としてアルバイトをした後に転職して、今は別の特別養護老人ホームで正規職員として働いています。

入居者のお世話をするのが主な仕事。特別養護老人ホームには常駐の医者はいないので、看護師が最終的な医療的な判断をしなければなりません。生死にかかわる問題なので、責任が重いです。入居者さんだけでなく、ご家族とのコミュニケーションもしなければなりませんし、施設で働く介護士に的確な指示を出すことも必要です。日々忙しいですが、充実していますね。同僚たちはフレンドリーですし、チームでうまく仕事が回って、入居者さんにも喜んでいただけるときはやりがいを感じます。

―プライベートはどのように過ごしていますか?

今住んでいるニュープリマスは、人口7万人の小さな町で、自然が豊かでありながら、都会的な便利さもあり、とても快適です。近くに海も山もあり、カヤックで海釣りをしたり、山に登ったり、アクティビティには事欠きません。シェアハウスに住んでいるので、シェアメイトと一緒に飲みに行ったり、バーベキューをしたり。こちらの人は、オンとオフの切り替えが上手で、プライベートが充実していて、とてもいいと思いますね。

留学は、真剣に何かに取り組む機会を与えてくれた

―念願の永住権が取れた今、これからやりたいことや今後のプランはありますか?

常に何かにチャレンジしたいと思います。今、スポーツにも打ち込んでいますし、仕事面では救急医療も経験したいので、転院を考えています。新しい職場で新しい経験を積みたいですね。永住権を取得して5年が経過すると市民権が取得できます。僕は永住権を得てから約2年経っているので、あと3年で市民権が取れます。

市民権があれば、オーストラリアでも仕事や生活することができますが、日本国籍は失います。今の段階では、まだそこまでは考えていませんが、その時になると気が変わるかもしれないですね。

―留学におおよそいくらぐらいかかったか教えてください。

WIIの3年間の学費が日本円で500万円ぐらい。生活費は300万円ぐらいです。なるべく経済的に自立したかったので、親には50万円だけ借りて、あとは自分の貯金や、現地でのアルバイト代で賄いました。看護師としてのキャリアはまだ2年くらいなので、収入は今のところ税引き前で450万円くらい。金額はキャリアを積めば上がっていきます。

―最後に、田中さんにとって留学経験とは何か、教えてください。

留学は、一つのことにエネルギーを注げる環境を与えてくれました。日本では、いつも人の目が気になって、自分が本当は何をやりたいのかわかりませんでした。最近になってようやく、自分がわかってきたように思います。

もし、日本で何をしたらいいかわからないと迷っている人は、海外に飛び込んでみるといい。困難はありますが、真剣に何かに取り組むことは人生でいい財産になると思います。

ビーバー教授の解説

人口の少ないニュージーランドでは、積極的に移民を受け入れている。条件さえ満たせば、誰でも永住権を申請できるんじゃ。永住権を取得するには、田中さんのように、学校に通って専門職の資格を取得し、就業体験を積むのが近道じゃ。

ただし、年々、条件は厳しくなっているから、移民局のサイトをチェックして最新情報を調べておこう。

https://www.immigration.govt.nz/new-zealand-visas/apply-for-a-visa

永住権が得られれば、無期限で滞在でき、医療・福祉・教育・政治参加などニュージーランド人とほぼ同じ権利が与えられるんじゃ。

ニュージーランドで取得した看護師の資格は、世界の多くの国で認められているから、ニュージーランド以外の国でも看護師として働くことができる。

日本以外の国で暮らしてみたい、働いてみたいという人には、田中さんの経験談は多いに参考になるじゃろう。

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