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<ファッション留学>高校3年生の夏休みにロンドンファッション留学! イギリスで少女が見つけた夢とは!?

「高校生が留学をする」。日本ではまだ珍しい事でピンと来ない方も多いのではないだろうか。実は留学にも、正規に海外の高校に入学する、通っている高校の協定校に短期で留学する、または高校生からでも参加できるサマースクールというものもある。

しかし、「短期での留学で、どのような成長ができるのか?」は、本人に限らず、保護者である親も気になる所ではないだろうか?今回は、幼い頃からの夢を実現するために、高校3年生の夏休みに「ロンドン芸術大学の高校生用のサマープログラム」に参加した、現在国際基督教大学1年生の大塚桃奈さんに話を伺った。

 

〜中学生の頃から描いていた夢を形にするため留学!「英語でファッションを学びたい!」〜

―桃奈さんは、どのような留学をされていましたか?

高校3年生の夏休みに、ロンドン芸術大学の高校生用のサマープログラムに参加しました。留学中は、4つのコースを通して、ファッションデザイン・スタイリング・メディア(フォトグラフィー・ブログの書き方など)・ソーイング(縫い方)やポートフォリオの基礎などを学びました。

―そもそも、どうして留学に行こうと思ったのですか?

留学のきっかけは、「いつか、英語でファッションを学びたい!」という私の想いでした。中学生の時からデザインやファッションに興味があったのですが、中学1年生の時に応募したデザインコンテストで金賞を受賞する事ができたんです。この時に、「自分のやりたいことを頑張ると、夢は叶うんだなぁ」と感激したことがきっかけで「ファッションについて学びたい」と強く思うようになりました。

―きっかけは、中学生の時にあったのですね。

はい、自分のデザインしたものが形になるのが、とにかくうれしくて。この時は、「卒業後はロンドンでファッションの勉強をしたい。」と思っていましたので、そういう意味でも、短期でもロンドンに留学したいという気持ちがありました。

―ただ、高校生の時期に留学となると、周りからの心配はありませんでしたか?

はい、留学時期が期末テストと重なったり、進路の事などもあったので、先生からは「少し考えた方がよいのでは?」というようなアドバイスをいただいたりもしました。ただ、そんな時に力になってくれたのは両親でした。私の想いに対し、「自分のやりたいことがあるのだったら、そのやりたいことを頑張ったらいい」と言ってくれて、一緒に現地の情報などを探してくれたりなど、積極的にサポートしてくれたので、最終的に留学を決断する事ができました。

―家族の支えが大きかったのですね。ちなみに期末テストはどうされたのですか?

期末テストは、みんなと一緒に受ける事ができませんので、代わりにレポートにしてもらいました。

―留学準備はいつから、どのように進めましたか?

高校2年生の2学期頃から準備を始めました。私の場合は、まずは、エージェント主催の説明会に参加したり、インターネットで「ファッション」「大学」と調べてみたりなどです。そして、英語で検索した結果、イギリスのロンドン芸術大学で高校生用のサマープログラムを見つける事ができました。

あと、問題は留学費用だったのですが、最終的には、高校生でも応募ができるようになった『トビタテ!留学JAPAN』”の奨学金事業に申し込み、無事に合格する事ができました。

―桃奈さん自身は一人で海外へ行くことに抵抗はなかったですか?

海外に行く事自体にはあまり抵抗感はありませんでした。というのも、私の場合、環境がよかったのだと思います。 私の家は、海外からの留学生を”ホームステイ”として受け入れていましたので、日本にいる時から多国籍な出会いは留学前から経験する事ができました。

また、小・中学校の頃に、アメリカの学生が日本に来て開催される夏のサマーキャンプに参加した事もありましたので、日本にいながらも英語環境を経験する機会がありました。このような環境でしたので、自然と海外への興味も湧き、抵抗感もあまりなく留学する事ができたのだと思います。

ヨーロッパ人の輪に入って行けず…。クラスメイトとの壁を自分自身で作ってしまっていた。

―現地ではどんな風に暮らしていたのですか?

18歳~25歳までの学生が入ることのできる女子寮で、部屋はイタリア人の学生と同じ2人部屋でした。寮ではあるのですが、日本では親と一緒に暮らしていたので、海外での暮らしに加え、自炊をしたり洗濯をしたりすることも初めてで、最初は、それに戸惑ってしまい、ホームシックになってしまいました。

―現地生活に慣れるまで大変ですよね。

はい。移動なども、スマホを持っていなかったので、日本から予(あらかじ)め、地図を印刷して対策をしたりなど工夫していました。学校、寮、駅の場所が、どのような位置関係になっていて、どうやったらたどり着けるのかを入念に調べて行ったのですが、それでも実際に慣れるまでは緊張しました。

―慣れない街だと土地勘をつかむのも大変ですよね。ちなみに、お金は、全て現金で持っていきましたか?高校生でもクレジットカードは使えるのですか?

お金は、”現金”と”デビットカード”を持っていきました。デビットカードは日本の銀行が出しているもので、VISAなどのクレジットカードにICチップが入っているものです。

現地でも、PIN番号(暗証番号)を押せば店頭でカード払いもできますし、裏にPLUSと書いてあるカードでATM対応もしていたので、現地でも現金をおろすこともできました。私の使っていたデビットカード自体は15歳以上で持てるみたいです。

―やはり、留学中に一番苦労したことは生活の事でしたか?

いえ、海外の一人暮らしもそうですが、一番大変だったのは、学校でのコミュニケーションでした。というのも、はじめの頃は、クラスにアジア人は台湾人の子と私しかいなくて、他のみんなはヨーロッパ諸国から来ていた学生だったんです。ヨーロッパ人同士だと、なんとなく語学も似ていたり、フィーリングや性格も合うようだったんですけど、私のようなアジア人は、話していても挨拶程度で終わってしまって、なかなか輪の中に入っていくことができませんでした。

―その状況をどうやって乗り越えたのですか?

考え方を少し変えてから、だんだん状況も変わってきました。学校生活を送っているうちに、ふと、クラスメイトの中にも日本や日本食に興味がある子がいるのに気づいて、そういう子たちが私に話しかけてくれたんです。

―日本をきっかけに友達に?

はい、最初は「全員と仲良くなろう」と思ってしまっていたのですが、それが原因でこのような状況を生み出していたのだと思います。「全員と仲良くなることは難しいけど、自分自身に興味を持ってくれる子と徐々に話していけばいいのだ」ということに気づけてから、友達もだんだんできるようになりました。

それに気づいてからは、放課後にクラスメイトと一緒に美術館に行くようになったり、寮で茶道をし、お茶のおもてなしをしたりするようになっていきました。言葉や国籍の壁もそうですが、一番は、自分が「コミュニケーションの壁」を作ってしまっていたんだと思います。

―言葉や国籍よりも気持ちが大事なのですね!友達との思い出は何かありますか?

一番は、寮で仲良しになったフランス人の女の子とオードリーヘップバーンの写真展に行った事です。お互いに「この中の写真でどれが一番好き?」って話していたのですが、寮に帰ったら私が好きと言っていた写真のポストカードを買ってくれていて。更にメッセージを書いて私にプレゼントしてくれたんです。「いつの間に?」と驚いたのと、最初はなかなか他の学生と話せなかった私なのに、国境を越えた繋がりができた気がしてすごく嬉しかったです。

ロンドン芸術大学での授業内容、そしてアートが身近なロンドン。

―学校ではどのようなことが学べましたか?

私はロンドン芸術大学の中の、「セントラル・セント・マーチンズ大学」と、「ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション」というファッション専門の大学をはしごして通っていました。そこの授業では、実際に現場で活躍されているプロの方が講師をしてくれて実践的な事が学べました。

―どのような方が講師をしてくれたのですか?

例えば、メディア関連の事を学ぶ授業では、ファッション誌を作るための撮影方法を、スタイリングやフォトグラファーの先生から直接教えていただくことができました。授業内容は、それぞれ座学で説明を受けてから、最後は自分でテーマを決めて、モデルの子を見つけ、雑誌を実際に作ってみようというものもありました。

―論理的なことと、実践と両方を教えてもらうことができ、本格的ですね。

はい。デザイン画の授業では、自分でポートフォリオを作るために、民族衣装の展示してある美術館に行き、スケッチをとったりもしました。

―美術館にも行ったりするんですね。

はい、美術館に行く日はそれだけでその日の授業は終わり、現地解散ということもありました。また、違う日は「どうやったらクリエイディブなデザインが描けるか」と雑誌の切り抜きをして、組み合わせてみたり。。。ただ説明を聞くだけでなく、教室内でも教室外でも吸収することがたくさんありました。

―さすが、本場での授業という感じですね!

はい、留学してみて、ロンドンはアートがすごく身近にあるように感じました。街には、無料で入れる美術館や博物館が多くあり、また、私が滞在していた夏の期間には、街中のあちこちでアートに関するイベントが開催されているのを見る事ができました。あと、ミュージカルもすぐに観に行けるのですごくよかったです。日本だと、街を歩いているだけでこれだけアートに触れられることはあまりないと思います。

また、ロンドンでは、有名な『ポートベローマーケット』をはじめとするおしゃれなマーケットも多く、日常生活の中でアートに触れ合う機会がたくさんあり、感受性も豊かになると感じました。

留学を通して気づいた、新しい夢。

―大塚さんが留学をした高校3年生の夏というと、進路に関わる大切な時期ですが留学に行ってよかったですか?

はい!留学前は、高校を卒業したら、デザインの勉強をするためにファッション業界へ行くのか、それともまずは大学へ入学するのか。。。「本当に自分がしたいこととは何か」を迷っていました。

受験生で、周りの同級生は塾の夏期講習へ通っている中、私は大事な時期にイギリスに。ただ、あの夏で得た経験は、私にとって高校生活の中で様々なことを考え直すいい機会になりましたし、将来自分がやりたいことも明確にする事ができました。

―留学がきっかけでどのような発見があったのですか?

元々は、「デザインが好き」という想いから「世界にはばたくファッションデザイナーになりたい」と思っていました。でも、トビタテ留学JAPANの応募要項を書いている時に「あなたは留学経験をどう社会に役立てたいですか?」という趣旨の質問があったんです。それをきっかけに、「留学経験を活かしてどう社会の役に立ちたいのか」をずっと考えるようになりました。

―留学前から、そのような気づきがあったのですね。

はい。悩みながら、自分で考えたり調べたりしているうちに、私達が着ている服ができ上がるには、途上国での労働問題や、環境汚染問題があるという、ファッションの裏側にある社会問題を知ることになりました。そして「デザインの勉強をするのもいいけど、大学に入って貧困問題などを勉強するのもいいのではないか?」と考えるようになり、今の大学に入ることに決めました。

フランス人の友人と一緒に見た夜景

―留学を決めた事がきっかけで進路にも大きく影響したのですね!今後、どのように活動していきたいですか?

今は、デザインだけでなく、「ファッションを通じて社会のために、そして人の役に立ちたい」という想いでいます。そのために、まずは、「エシカル」、「オーガニック」、「フェアトレード」という概念に出会い、更に見地を広めるべくフェアトレード講座に行ったり、NPOの活動に参加したりしています。大学では、これから様々な学びを通して知識を深めていくのと同時に、社会の中にある問題を見つめ直し、解決方法への糸口を探していきたいです。そして、地域の子どもたちにも「ファッション」にまつわることを知るきっかけづくりを提供したり、地元の遊休農地を使ってオーガニックコットンを作り、地元ならではのオリジナルグッズを作れたらいいなとも考えています!

ビーバー教授の解説

いかがじゃったかな、桃奈さんのストーリー。ポイントは、”留学するタイミング”じゃ。

高校生に限らず、多くの大学生も、進路選択前に「自分は何をしたいのだろうか?」と真剣に考え悩んでしまう。そのような悩みを解決する一つの手として海外留学を使う人が多いのも実情じゃ。今回の桃奈さんは、大学進学前に行った留学をきっかけに自分の将来を考え、新たな夢を見つけ、それが進路に大きく影響した。また、桃奈さんは、留学中だけではなく、留学前から「留学経験を活かしてどう社会の役に立ちたいのか」を真剣に考えておったな。留学は行っている間だけでなく、行く前と帰国後も自分を育ててくれるのじゃ。この記事を読んでくれた方も「留学を通じた成長」をしてくれる事を心から願っておるぞ!

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