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<保育留学>オーストラリア留学で保育士資格を取得。世界で活躍する保育士になりたい!

「海外で保育を学ぶ」。“専門性のある留学” “海外での資格取得”などに憧れる人も多いのではないだろうか。

だが、いざ「留学をしよう!」と思った時に、気になるのが“語学力(英語力)”や“現地でどのような事が学べるのか?”などの部分。

そこで、今回は名古屋短期大学在学中に、約10ヶ月オーストラリア(ゴールドコースト)の保育士専門学校にて、保育士資格を取得された都築美裕(つづきみゆ)さんに話を伺った。

英語力を高めながら、保育士資格を取得した都築さんの留学生活とは?

日本の保育の現場でグローバル化を実感し、オーストラリアへ!

―都築さんのされていた留学について教えてください。

はい、名古屋短期大学専攻科保育専攻1年生時(4年制大学で3年生時)に、オーストラリアのゴールドコーストにある“イマジン・エデュケーション・オーストラリア”に約10ヶ月留学をしていました。

現地では、保育士資格の取得のための授業や実習が主だったのですが、資格取得のためには英語力アップが必要でしたので、3ヶ月間、付属の語学学校に通い、その後、併設されている専門学校で保育を学んだ流れです。

―「留学に行こう!」と思われたきっかけは何だったのでしょうか?

理由は大きく2つあります。

1つ目は、日本の幼稚園や保育園でアルバイトをしていた時に気づいた事でした。そこは、日本人だけでなく、様々な国籍の園児がいて「保育現場のグローバル化」を実感する事ができる環境だったんです。その経験がきっかけで、私の中で「多様性のある教育現場をもっと見てみたい!」という想いが強くなっていきました。

2つ目は、大学1年生の時に大学のプログラムで2週間オーストラリアへ短期留学に行った事でした。

オーストラリアは、多国籍国家で色々な国の人が住んでいるのに、そこでは、みんなが、「それぞれの母国の文化」を大切にしながら生活していたんです。その事が当時の私にはとても新鮮でした。

その他にも、現地では日本では知れないことをたくさん知る事ができ、それがすごく魅力的で、「(2週間では)期間が短すぎる、もう一度オーストラリアへ行きたい!」と思ったのもありました。

―日本とオーストラリア、両方での気づきが都築さんの背中を押ししてくたのですね。

はい。実は、私が留学したのは21歳のとき(4年制大学で言う3年生のとき)で、通っている大学は、短期大学ですので、本来であれば、既に卒業している時期だったんです。

なので、留学に対して少し迷いがあったのですが、今思うと、決断できたのは、私自身が先程お話しした2つの経験で「実際に海外に行く必要性」のようなものを感じる事ができた事が大きかったのかもしれません。

―「行きたい!」という想いに対して行動できたのがすごく素敵ですね!留学準備はどのように進められましたか?

“イマジン・エデュケーション・オーストラリア”のプログラムに関しては、私が通っている大学で「オーストラリア保育士資格取得プログラム」が用意されていたので、それに申し込んで行きました。渡航前に申し込んだのは、最初に住むところ(ホームステイ1ヶ月分)と学校という形になります。
その他の準備などについてですが、大学で実際に留学されていた先輩がいましたので、色々とアドバイスをいただき準備を進めました。私の場合はラッキーで、大学側が先輩と会える機会を設けてくれたので、それを活用する事ができました。

―なるほど。留学資金についても気になるところなのですが。

そうなんですよ。「留学に行こう」と決めても、資金の面をどうにかしなければいけませんでした。

なので、「どうにかしなきゃ」と思って、色々な奨学金制度を調べたり、紹介してもらったりしました。私の場合、最終的には、「トビタテ!留学JAPAN」の奨学金をいただく事ができて解決できたのですが、その他にも様々な奨学金制度がありましたので、まずは、調べてみる事が大事だと思います。

たとえば、私の大学の「オーストラリア保育士資格取得プログラム」は、学生支援機構の海外留学支援制度に採択されているのですが、私と同時期に留学した学生のうち、20名ほどの学生はその奨学金を支給されていました。

―ちなみに資金というと、オーストラリアへは、どのようにお金を持って行ったかも気になるのですが、その点はいかがでしたか?

私は出発前は、日本から現金で持って行ったのですが、到着してからは、現地のANZという銀行で口座を作りました。

現地で口座を作るときは、最初、英語が理解できなくてすごく苦労したのですが、違う支店に行くと、日本人スタッフがいて、日本語対応してもらえたんですよ。英語習得の事を考えると一概にそうとも言えないかもしれないのですが、こういう時、「オーストラリアってほどよく日本人も多くいていいな」と感じました(笑)。

ちなみに、現地口座だと、現地の携帯と連携させることができるので、携帯で買い物ができたり、家賃の引き落としもそこからできるのでとても便利でした。

 

まずは語学学校で英語力アップ!初めての長期海外生活で都築さんを待っていた思わぬ苦難とは?

―いよいよオーストラリアへ!語学学校はいかがでしたか?

語学学校は友達もできて、すごく楽しい場所でした。ただ、最初は結構苦労してしまいまして…

―どのような苦労があったのでしょうか?

日本人によくある事だと思うのですが、「綺麗な英語を話さなくてはならない!」と強く意識してしまっていたんです。なので、会話をするときにも、「頭で単語を考えてから、ちゃんとした文法で並べて話さなければいけない。」と思って。

―そうすると、会話もなかなかスムーズにいかなさそうですよね。

そうなんです!それが私にとって、最初の課題でした。

でも、私とは対照的に南米から来ているクラスメイトは、文法はめちゃくちゃでもすごい勢いで英語を話してたんです。それを見ていると、「あ、黙っている方がダメだ。間違っても話さないと!」と、だんだん触発されて、自然と私もスムーズに会話ができるようになっていけました。

やはり、文法は一人でも勉強できますが、会話は相手がいないとできないので、これが語学学校に行った意義としては大きかったと思います。

友達もできて、わからない事を聞く事もできますので、“話すきっかけ”をたくさんいただけました。

―友達がいると自然と英語での会話量が増えそうでいいですねぇ。初めての長期海外生活で何か苦労した事はありましたか?

初めての海外生活と言いますか、私が留学生活で一番苦労したのは「家探し」でした。

ホームステイの期間が1ヶ月でしたので、次の家を1ヶ月以内に見つけなければいけなかったのですが、最初なので土地勘もなく、友達もいないですし….四苦八苦している間にも、とにかく時間は流れていくので、すごく焦ってしまって…

―「家が見つからなかったら」と思うとすごい不安ですよね。最終的にはどのようにして見つけたのでしょうか?

最終的には、日本人向けの生活情報を掲載している「日豪プレス(NICHIGO PRESS)」というサイトがあるのですが、それで無事に24時間セキュリティ付きのシェアハウスを見つける事ができました。

―無事に見つかってよかったですね!でも、24時間セキュリティ付きというと家賃が高そうなイメージもあるのですが。

私は3人住まいのシェアハウスだったので、光熱費も込みで1週間130豪ドル(約12,000円)でした。ですので、月換算すると、520豪ドル(約48,000円)で、そんなに高くはなかったと思います。もし、もっとコストを抑えたいのであれば、平日で1日4時間家事などを手伝えば家賃と食費が無料で住める「デミペア」という滞在方法もあるそうなので、それでもよいかもしれません。

私の場合は、「1日4時間も使うと勉強ができなくなりそう….」と思ってシェアハウスにしたのですが、「お金の問題を解決できるので、いいなぁ」とも思いました。

 

「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」へ!実習とベビーシッターで気づいた、“平等”より“個人”を尊重するオーストラリアの保育。

―語学学校が終わった4ヶ月目から通ったのが保育士の養成コースですね。授業は、座学と実習と両方あったのですか?

はい。週1回の講義と週2回のレポート作成、あとは、週2回のチャイルドケアセンターで実習というものでした。

―英語での授業にはついていけましたか?

これは結構大変で、最初は書くのもついていけないくらい必死でした。ただ、「ついていけないから何もしない」というわけにはいかないので、復習用に、(ホワイトボードの)写真を撮ったり、動画を撮ったりして、なんとかついていけるようにしていました。

―確かに、復習用の写真や動画があると便利そうですよね!ただ、先生に怒られてしまいそうな気もするのですが…

推奨や公認をされているかどうかはわからないのですが、私のときは、他のクラスメイトたちも、ボイスレコーダーやケータイを使い、授業の録画や録音をしていたので、多分大丈夫だったと思います。

―なるほど。語学学校との違いについても聞かせていただきたいのですが、保育分野の専門用語などには問題なくついていけましたか?

それについては、何もしないと大変だとは思いますが、「今日は“食育”について」、「明日は“おむつ”について」など回ごとにテーマが決まっているので、そのテーマに関する英単語を予め調べておくと理解しやすかったですよ。

―やはり、専門分野を学ぶ際は、予習と復習が大事なのですね。実習はいかがでしたか?

実習については、子どもたちと触れ合えること自体はすごく楽しかったのですが、ここでも英語に苦労させられてしまいました…

子どもたちの英語は話すスピードが速いですし、略して話すことも多いので、大人が話す英語よりも何を言っているのか聞き取るのに大変だったんです。

なので、私は言葉よりも、子どもの表情や様子をみて「あっ、今日はこの子、いつもと少し違うな」などを察知するようにしていました。

―学校といい、実習といい、困難に対する対応力がすごいですね!ちなみに、日本とオーストラリアでは、保育に何か違いを感じましたか?

大きなものですと、子どもの教育方針に違いを感じました。

というのも、日本だと、「みんなが同じことをできるようにする事」を目標とする傾向があると思うんです。それに対し、オーストラリアでは、「みんながみんな、同じようにできなくてもよい」という考え方があるように感じました。

例えば、日本ですと、発表会ではみんな均等に役を与えなければいけない、親もそれを期待しているのではないか、と考えますが、オーストラリアですと、「踊りが得意な子は前で踊ればいい」、「後ろで踊りたい子は後ろでいい」という考え方なんです。

その事を不思議に思って先生に聞いたこともあったのですが、「Miyuの考えも素晴らしいわ。でもね、“個性”を出せばいいのよ」というフィードバックをいただきました。そこでは、「平等や均等にすることより“個人”を尊重する方針なのだ」と発見がありました。

―なるほど!教育方針にも、多国籍国家らしさが出ているのですね。資格取得を目指されて留学されたとの事だったのですが、卒業するには試験などがありましたか?

いいえ、毎回出される座学での課題をこなし、実習先での実習記録を提出するのが、「幼児教育資格―サティフィケイトⅢ(Certificate Ⅲ in Early Childhood Education and care)」資格取得の条件でしたので、試験はありませんでした。

ただ、提出しなければいけない課題は、一度チェックしてもらったものを更にやり直しさせられたりして大変だったりはするんですけど。

また、私の場合は語学学校と合わせて10ヶ月だったのですが、この資格は、一年かけてゆっくりと取る人もいれば、半年程の短期間で取る人もいるので、もし「期間を短くしたい!」という人がいましたら、私より短い期間でいけるかもしれません。

―学校以外の生活はいかがでしたか?

はい。学校以外ですと、休日は街に出かけたりしたのと、留学して5ヶ月目頃からは“ベビーシッター”の仕事もしていました。

―留学生でも働けるのですか?もしかして、ワーキングホリデービザも同時に取得されていたのでしょうか?

いいえ、私が留学したときの話なのですが、学生ビザは週に20時間まで働くことができたので、ワーホリビザは取得しなくても大丈夫でした。

―ベビーシッターの仕事は学校からの紹介でしょうか?

いえ、仕事は、「ガムツリー(Gumtree)」というサイトを使って自力で見つけました。このサイトは、オーストラリアの仕事情報が充実しているので、そこで “ベビーシッター”で検索して条件なども読んで1件ずつ問い合わせをしていく感じです。

メッセージを送っても、返答がないこともたくさんあったので結局仕事を見つけるのに、1ヶ月かかってしまったのですが、無事に8歳の女の子のベビーシッターの仕事を見つける事ができ、早朝や夕方の短い時間で働ける事になりました。

―大変そうですが、英語で仕事を探す事自体もいい勉強になりそうですね。仕事自体はいかがでしたか?

はい。シッター先の家族との関わりは私の留学生活をより濃いものにしてくれたと感じています。私は雇われている人間なのですが、向こうは、本当の家族みたいに接してくれたんです。

クリスマスを一緒に過ごせたのも素敵な時間でしたし、何かわからないことがあると何でも相談に乗ってくれたり、私が引っ越しをする時も手伝ってくれるなど、本当に温かい人たちでした。オーストラリアでの家族ができた感じです。

 

オーストラリア留学が安定志向の私に挑戦心をくれた。

―10ヶ月の留学を振り返ってみて、いかがでした?

一番は「生きる力」を得る事ができたのが大きいと思います。

留学前までは、私は「安定した道」を行こうとするタイプだったのですが、この留学を経て、「挑戦してみよう!」という気持ちが持てるようになったと感じています。例えば、わかりやすい変化ですと、「何かしよう」として1つの方法がダメだったとしても、「違う方法でやってみよう!」と考えられるようになった事です。

―留学中にも様々な困難を乗り越えられていましたもんね!保育士の資格も無事に取得できて濃い留学になりましたね。

はい。今思うと、「オーストラリアまで保育を学びに行って本当によかった!」と思います。留学前は、「保育なら日本でやればいいじゃない。」と言われることもあったのですが、やっぱり向こうでは、先生方の考え方や働き方も日本とは全然違いますし、「実際に現地に行ったからこそ見えるもの」も多く感じることがありました。

また、保育の方針の他、先生方の待遇の違いも学ぶ事が多かったです。例えば、実習先の保育園の先生は、毎日フルタイムで働いてない人でもパート扱いではなく正規の先生として働くことができていたり、家庭と両立しながら仕事をすることが快く受け入れられていたんです。これは、本当に「素晴らしいな」と感じました。

―家庭と両立できる働き方って素敵ですね。最後にこれからの夢について教えてください!

チャンスがあれば、またオーストラリアに行きたいと思っています。今度行く時は、今回取得した資格をいかして、保育園で実際に働きたいです。

そのためにも、まずは日本でもっと現場の経験を積んで、保育士が働きやすい環境作りに貢献したいと思っています。日本は「協調性」が大切にされるのですが、多様化していく上では「個人の尊重」も大切という留学での学びを取り入れ、世界で活躍する保育士になりたいです!

 

ビーバー教授の解説

いかがじゃったかな、都築さんのオーストラリア留学。

今回注目してほしいのは「海外で新たな価値観を知り、専門分野に役立てている事」じゃ!

専門性を持った留学で魅力的なのは、“英語力アップ”そして、今回の“資格取得”のように、スキルや履歴書に書ける目に見えるスキルアップ。

じゃが、今回の都築さんのように海外での教育方針の違いなど、日本では不正解とされている事が、正解になっている社会の価値観を知る事で、今後のキャリアに役立てる事もできるのじゃ。

あなたも、自分の専門分野に新しいスパイスを加えて、新たなキャリアを築くヒントにしてみてはいかがじゃろうか。

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